雪ん子パースペクティヴ

読むとちょっとタメになるエントリー。

2017年白書を参考に近年の起業状況をみる。

要はリスクとどれだけ向き合うか。

 

はろー、yukiです。

 

2017年版の中小企業白書を参考に、近年の起業状況をみてみたいと思います。

 

こちらは総務省の「就業構造基本調査」から分析されたデータを使用しています。

業種割合

1997年から2012年までの間で5年ごとの推移が見られます。

構成にある業種は「農業、林業、漁業」「建設業」「製造業」「卸売業」「小売業」「飲食サービス業」「医療、福祉」「その他のサービス業」「その他」です。

 

男性に着目した場合、どの年も最多は「その他のサービス業」で、最少は「医療、福祉」です。「その他のサービス業」の内訳は、学術研究、専門・技術サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業などとされています。

2012年をみると、2番目に多いのが「農業、林業、漁業」で、これは1997年と同じ。3番目は「建設業」となっており、これも1997年と同じ。

 

女性に着目した場合、どの年も最多は「その他のサービス業」で、2番目は「小売業」となっています。3番目が「飲食サービス業」となっていますが、2番目と共に年々減少しています。その代わりに上昇しているのが「その他のサービス業」です。

 

この構成で不満なのは、情報通信業がどこに含まれるのかが不明な点です。おそらく「その他」です。ちなみに、「その他のサービス業」にある「専門・技術サービス業」には、広告業や経営コンサルタントなども含まれています。

 

 

次は、2016年12月に実施された「起業・創業に対する意識、経験に関するアンケート調査」から。対象は全国の18歳から69歳の男女。

年代別起業関心

区分は「34歳以下」「35-59歳」「60歳以上」となっています。

第1位は男女ともに同じです。「34歳以下」と「35-59歳」は「周囲の起業家・経営者の影響」で、「60歳以上」が「時間的な余裕ができた」となっています。

 

第2位は様々です。男性に着目すると、「34歳以下」は「勤務先の先行き不安・待遇悪化」、「35-59歳」は「勤務先ではやりたいことができなかった」、「60歳以下」は「働き口(収入)を得る必要があった」となっています。

女性は年代別全てが同じで「家庭環境の変化(結婚・出産・介護等)」となっています。

 

後ろ向きな回答が目立ちますね。


事業を辞めた理由

区分は年代別で上記と同じ。
男性では第1位が皆同じで「資金繰り、資金調達が難しかった」となっています。

第2位では、「34歳以下」が「人材確保・育成が難しかった」で、他は「収入が少なかった」となっています。

 

女性の第1位では、「34歳以下」が「資金繰り、資金調達が難しかった」で、他は「収入が少なかった」となっています。

第2位では、「34歳以下」が「新たな顧客・販路の開拓が難しかった」、「35-59歳」が「家庭の問題(結婚・出産・介護等)のため」、「60歳以下」が「資金繰り、資金調達が難しかった」となっています。

 

思ったよりも稼げなかったと言ったところでしょうか。


相談相手

「起業家」と「過去の起業関心者」が対象。

いずれも「家族・親戚、知人・友人」が最多。これは、親族に経営者がいると、その子供も経営者になる傾向が強いことを支持する一つの根拠になると思います。

 

次に多いのが、「起業家」では「周囲の起業家・先輩経営者」で、「過去の起業関心者」では「相談相手はいなかった」です。この「相談相手はいなかった」は、「起業家」では僅差ですが第3位に位置しています。

「相談相手はいなかった」の答えは一見普通のように思えるんですが、失敗するリスクを高めていますよね。ゆえに、起業を思いとどまる人も多い。

 

インターネットで起業の仕方や助成金の活用などを調べるのも大事ですが、それ以前に事業が成功するかどうかを他人にヒアリングするのはもっと大事だと思います。

そこで厳しいことを言われ、真摯に受け止められるか、あるいは熱が増してしまうか。起業する際の熱意は非常に大切ですが、同じくらいに冷静に自分を見られることも大切ですよね。

 

 

そして、成長タイプ別にみた場合。

成長タイプの区分は次の通り。

成長タイプとは、起業後に雇用や売上高をどのように伸ばしていきたいかという成長志向を確認したものであり、具体的には、「将来的に上場又は事業価値を高めての会社譲渡・売却を選択肢の一つとしながら、早いペースで雇用や売上高を拡大していくことを目指しているタイプ」を「高成長型」、「中長期かつ安定的に雇用や売上高を拡大させることを目指しているタイプ」を「安定成長型」、「基本的に創業時の雇用や売上高を大きく変化させることを意図せず、事業の継続を目指しているタイプ」を「持続成長型」とそれぞれ定義した。

さらに具体的な類型については次の通り。
※アンケート調査は2016年11月に実施。創業2006年1月-2011年1月の事業者が対象。

アンケート調査に回答した創業後5年以上10年以内の企業約 社について、現在の企業規模について、中小企業基本法上の定義により小規模事業者・中規模企業のいずれかにそれぞれ分類し、創業時から企業規模の変化を見た。その結果、小規模事業者から小規模 事業者、中規模企業から中規模企業又は小規模事業者といったように、創業時と現在の企業規模を比較して、企業規模が変化していない又は企業規模が縮小している企業を「持続成長型」の企業に分類した。次に、小規模事業者から中規模企業と、創業時に比べて現在の企業規模が拡大している企業を「安定成長型」の企業に分類した。最後に、新興市場東証マザーズ東証セントレックス、福証Q-BoardJASDAQ、札証アンビシャスのいずれかに上場した企業に着目し、上場企業の創業から創業後5~10年までの売上高伸び率を算出し、アンケート調査に回答した企業の創業から現在までの売上高伸び率と比較した。その上で、企業規模の変化にかかわらず、新興市場上場企業の売上高伸び率を上回る企業を「高成長型」の企業とした。

 

成長タイプ別起業関心

第1位をみると、「高成長型」と「安定成長型」は「周囲の起業家・経営者の影響」で、「持続成長型」は「勤務先の先行き不安・待遇悪化」となっています。

第2位では、「高成長型」は「周囲(家族・友人・取引先等)に勧められた」で、「安定成長型」は「勤務先ではやりたいことができなかった」、「持続成長型」は「周囲の起業家・経営者の影響」となっています。

ちなみに、「高成長型」の第3位は「事業化できるアイデアを思いついた」となっています。

 

成長タイプ別教育内容

いずれも高いのが「簿記や金融に関する知識の習得」ですが、「高成長型」ではこれが第2位(他は第1位)。

この型の第1位は「起業家に関する本を読む」です。第3位は「企業・焦点における職場体験」、以下「リーダーシップを育成する教育」「マーケティングに関する知識の習得」「企業インターンシップへの参加」「起業や経営に関する一般的な理論の学習」となっています。

 

読書と年収、社会的成功等々の関係性にまつわる言説がありますが、読書推進派の方々には使いやすいデータだと思います(笑)。


コミュニティへの参加状況

「高成長型」「安定成長型」「持続成長型」の順で、「起業家コミュニティに参加している」と答えた割合が高い。

その理由は「ビジネスのヒントを得るため」「起業に必要なノウハウ(事業計画策定方針等)を得るため」となっています。

 

独学も大事ですが、人から学ぶ(教えてもらう)ことも多い。言いかえれば、コネクションをつくるのが重要と言ったところでしょうか。

近年の人間関係の希薄化に流されないようなタイプですかね。

 

 

最後に、起業志望者・求職者へ一言。


「卒業後にすぐ起業」は何となくカッコ良いかもしれませんが、優先順位はわりと低くていいと思います。

まずは企業に入り、組織を知ることです。

そうすると、組織だけでなく事業の流れや個人、役職など様々なことが知れます。また、自分が起業家に向いているのかどうかも分かると思います。

 

求職者の方にとっては、自分が選ぶリーダーを見極める材料になると思います。

特に、「起業した理由(経営者になろうと思った理由)」や「失敗した時に頼る(相談する)相手」は、訊いてみても良いかもしれませんね。

 

ここのところ、労働市場は売り手市場だからこそ、攻めの姿勢で面接に臨んでも良いと思います。

 

 

以上。